【初心者独学写真術2】 構図の魔法 – 素人臭くない写真を撮る方法

 タグ ： 写真

長方形の枠の中に、何を主役にしてどう配置するか。
写真のテーマを決める重要な要素が、構図 です。

見た人が、その写真からどんなメッセージを受け取るか。
構図を工夫することで、写真に込めるメッセージを表現できるようになるのです。

初めに、あまり構図を意識しなかった例を見てみましょう。

この構図は 日の丸構図 と呼ばれる最も初歩的な撮り方。
主役をど真ん中に配置しただけの、簡単な構図です。

この写真の場合は、クローバー以外の被写体が大きくボケているので、四つ葉のクローバーが主題であることは良く伝わります。
雰囲気だけを見れば、けっして悪い写真ではないように思えますね。

でも工夫のない単調な構図なので、クローバーを見つけた場所も状況も、クローバーを通して言いたいことも分からないのです。

　
では、こういった 単調でメッセージ性のない写真を脱出 するには、構図をどう工夫すれば良いのでしょうか？

スポンサーリンク

単調に見えない構図の作り方

まずはファインダーを覗き、シャッターを半押しして被写体にピントを合わせます。

多くの場合、そのまま撮影すれば日の丸構図になってしまうところですが、ここでピントを維持したまま 上下左右にカメラを少し動かしてみましょう。

被写体がファインダー内のどの部分にあるかによって、写真の表情が変わることが分かるでしょうか。

「被写体をどこに配置するか」という構図の作り方には、定番と言えるいくつかの構図パターンが存在します。

この構図パターンを使うと、写真はより美しく、洗練された印象を生み出せるようになるのですが、まずは 簡単にできる3つの構図 をご紹介します。

三分割法

三分割法 は、画面を縦または横に三分割した構図です。

分割する直線 や、直線の交わる交差点 にポイントとなる被写体を置いて撮る方法です。

この構図で撮影すると安定感が生まれ、主題以外の余白部分（副題）も程よく主張できます。

こちらの写真は、不安そうな表情の子猫たち。
画面を分割してみるとこうなります。

左下の交差点に子猫たちを配置し、余白である右側の直線には小路。
恐る恐る家の前まで出てきた子猫たちを、背景を交えて切り取れた写真となりました。

レイルマン比率

三分割法よりも、被写体を中心から離したいときに使える構図が レイルマン比率 です。

画面を縦に四分割し、画面の対角線との交差点に被写体を置いて撮影します。
広い空間を強調でき、主題の被写体との対比が楽しい撮影方法です。

春空を進む飛行船を捉えました。
広々とした大空を自由に進めるかのような、広がりのある構図です。

レイルマン比率で見てみると、画面右下の交差点に飛行船を配置したことが分かります。

シンメトリー構図

次に、シンメトリー と呼ばれる左右対称（または上下対称）の構図を試してみましょう。

人工の構造物を撮影するのに最適な構図で、整然とした美しさが表現できる構図です。

大学の校舎を見上げる形で撮影してみました。
モノクロHDRで仕上げたこともあり、不気味さが漂っています。

分割線を入れてみると、恐ろしいほど左右対称のシンメトリー構図。
真ん中に被写体を捉えるため日の丸構図にも近いのですが、全体にピントを合わせて画面いっぱいに建物を捉えているため、より整然とした印象を与えます。

まとめ

…というように、いくつかの構図を知っておくだけで、素人っぽい写真を脱出 することができます。

この他にも、撮影に役立つ構図の作り方はたくさんあります。
対角線構図・三角構図・リーディングライン など、主な構図を知るだけで写真表現の世界が広がります。

「単調な写真ばかり撮ってしまう」という方は、ぜひ構図を意識して 少しプロっぽい写真 を楽しんでみてはいかがでしょうか！

　
最後に、今回のテーマ「構図」について、おススメの解説本を紹介しておきます。

構図だけの本ではありませんが、単調な写真しか撮れない スランプのときに読むと世界が拓ける のが、この「プロのデジカメ写真術」。
少し古い本ですが、普段と違う視線で撮る工夫がぎっしりです。

いきなり上手くなる！ プロのデジカメ写真術

齋藤 清貴 ／ 草思社

Amazonで詳細を見る